研究課題/領域番号 |
17K17239
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松村 朋香 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40527066)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 線維芽細胞 / 局所麻酔 / アポトーシス / 局所麻酔薬 / 筋線維芽細胞 / 神経成長因子 / 歯学 / 細胞・組織 |
研究実績の概要 |
研究期間全体を通して局所麻酔薬であるリドカインが創傷治癒過程に及ぼす影響を調べてきた。本研究では、局所麻酔薬の持続投与による非神経細胞、特に線維芽細胞に対する影響を調べることを主な目的としている。今年度はヒト培養線維芽細胞(normal human dermal fibroblast: NHDF)に様々な濃度のリドカインを投与し、投与後の神経成長因子(nerve growth factor: NGF)発現量の変化、細胞増殖能の変化、細胞形態変化および細胞遊走能について経時的に観察した。 当初、不死化線維芽細胞(TIG-114)を使用していたが、より生体の正常な性質に近い細胞に対する反応を調べるために、有限分裂寿命細胞(NHDF)に変更した。ヒト培養線維芽細胞に様々な濃度のリドカインを投与し、定量的PCRによってNGF発現の変化を調べたほか、ヒト培養線維芽細胞の細胞増殖能の変化と細胞遊走能について調査した。いずれの実験においても高濃度リドカインを投与した群では、過去の報告および我々がTIG-114を用いて行った実験結果と同様に、投与後の線維芽細胞の形態変化が見られ、細胞増殖抑制が認められた。低濃度リドカイン投与した群では細胞形態の細胞増殖能の低下および細胞遊走能は起こらなかった。NGF発現量に関してNHDF細胞では増加傾向は見られるものの、有意な差は得られなかった。術後局所麻酔薬投与による、より良い鎮痛と良好な創傷治癒を得ることが本研究の目標であるため、瘢痕形成の原因の1つである筋線維芽細胞に着目し、NHDFにTGF-βを投与して分化させた筋線維芽細胞にリドカインを投与し、細胞における変化を調べた。 今までの結果では、リドカインが容量依存的に筋線維芽細胞の細胞増殖を抑制し、さらに投与3日後にアポトーシスを誘導することを明らかにした。
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