研究課題/領域番号 |
17K17276
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
阿部 史佳 大分大学, 医学部, 助教 (00718421)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 口腔癌 / 口腔潜在的悪性疾患 / 上皮性異形成 / 性ホルモン / HPV感染 / LOH / 口腔扁平上皮癌 / 性差 / ヘテロ接合性消失 / 口腔白板症 / 口腔扁平苔癬 / 多中心性発癌 / 性ホルモン受容体 |
研究成果の概要 |
多発性口腔扁平上皮癌は口腔扁平苔癬の既往歴を有する女性患者に多いこと、さらに多中心性発癌が女性に多いことから、口腔発癌に男女差があることが示唆された。口腔扁平上皮癌のHPV感染率ならびにエストロゲン受容体発現に性差を認めなかったが、エストロゲン受容体は若年者よりも高齢者の口腔癌で発現が強い傾向であったことから、エストロゲン分泌の年齢的変化が同受容体発現と連関して癌増殖を維持する可能性が考えられた。口腔発癌過程での性ホルモン受容体発現は明らかにできなかった。また口腔発癌に関連する遺伝子領域のヘテロ結合性喪失を検索したが、口腔発癌のリスク予測につながる結果を得ることはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔扁平上皮癌の原因として最も重視されているのは喫煙であり、口腔癌は喫煙や飲酒習慣のある高齢男性に多い疾患とされてきた。近年、女性の口腔癌患者は増えているが、その理由を女性喫煙者の増加だけでは説明できない。本研究は、口腔扁平苔癬に続発する口腔多発癌は女性に多いこと、さらに口腔粘膜の多中心性発癌が女性に多いことを示した。このことから女性の口腔癌は、喫煙や飲酒が関係する男性の口腔癌とは異なる疾患背景を有することが示唆される。性差による口腔発癌のリスク予測についてはさらに研究が必要であるが、本研究で得られたデータは女性の口腔癌予防のための啓発活動につながる。
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