研究課題/領域番号 |
17K17644
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
放射線科学
法医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五ノ井 渉 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60631174)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 死亡時画像診断 / 死後画像診断 / Postmortem Imaging / Forensic Radiology / 死後CT / Autopsy imaging / Postmortem CT / Virtopsy / Autopsy Imaging / 解剖 / CT / Postmortem imaging / Radiology / Computed tomography / Forensic radiology |
研究成果の概要 |
診療関連死を包括的に対象として、臨床経過-生前CT-死後CT-解剖所見の対比を行い、死因や病態推定に有用な死後CT所見を探索した。検討項目は、①肺の死後CT所見、②肺血管の死後CT所見、③腹水の死後CT所見、④肝臓の死後CT所見、⑤新生児・乳幼児の死後CTの診断能であった。結果的に、肺では死後経過時間と共に特定の所見の増強が見られ、肺炎や肺水腫の診断に有用な死後CT所見が特定できた。また、生前の造影剤投与が死後の腹水濃度を上昇させることや、肝臓の濃度が死後に急激に低下する症例の存在が判明した。さらに新生児や乳幼児の死後CTを加えると死因診断の精度が改善する可能性が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
死亡時画像診断は、重要な死因推定手段であるが、未だに多くの臓器や疾患で正しい解釈方法が明らかでない。肺や肺血管は死因に関与することが多いにも拘らず、これまで死後CT所見の報告が乏しく、判断材料に欠けていた。今回の研究では、正常な肺・肺動静脈の死後CT所見から始まり、頻度の高い肺炎や肺水腫の死後CT所見を明らかにした。本研究結果は、死後CTによる肺病変の診断を大きく前進させるものである。また、今回は腹水や肝臓についても新たな知見を得た。新生児や乳幼児においては、死後CTの施行が死因診断を改善することも明らかにした。死因推定の精度向上は、医療の発展、犯罪見逃し減少、社会の安寧に役立つ。
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