研究課題
若手研究(B)
CD72は主にB細胞に発現する抑制性の膜型レクチンであり、代表的な自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)の発症に重要な自己抗原Sm/RNPを認識しSm/RNPに対するB細胞応答を抑制することでSLEの発症を抑制している。本研究では、CD72がSm/RNPの他に種々の硫酸化糖鎖に結合し、硫酸化糖鎖への自己抗体産生を抑制することを示し、また、硫酸化糖鎖がCD72の細胞内移行を制御する可能性が示唆された。さらに、Sm/RNP以外にも種々の自己の核抗原を認識することを示した。したがってCD72は硫酸化糖鎖を認識することで、B細胞の抑制性機能を制御している可能性が示された。
CD72はB細胞上に発現する抑制性の分子であり、日本での患者数が6-10万人と比較的有病率の高い自己免疫疾患であるSLEの発症を抑制する分子である。本研究によりCD72が硫酸化糖鎖を認識し、硫酸化糖鎖による機能制御を受けることが示唆されたことで、SLEの新たな治療法の開発に向けてCD72の機能を人為的に制御するための新たなターゲットが示された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
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