研究課題
若手研究(B)
悪性脳腫瘍のなかで最も難治である膠芽腫における細胞突起形成と治療抵抗性に関わる神経成長関連タンパク質-43kDa(GAP-43)自体を制御する観点での治療応用は、未解明であった。研究代表者は、膠芽腫摘出標本から調整したタンパク質をリン酸化プロテーム解析することで、GAP-43の新規リン酸化部位を同定した。また今回発見したGAP-43の新規リン酸化部位をリン酸化させる責任キナーゼが、齧歯類のGAP-43と同様にヒトのGAP-43においてもJNKであることを突き止めた。本研究は、JNK制御によるGAP-43リン酸化抑制という膠芽腫の治療法確立のための基礎となる。
研究代表者は、五十嵐道弘教授(新潟大学大学院医歯学系神経生化学分野)らとともに、げっ歯類の神経細胞の軸索伸長時に活性化するGAP-43の新規リン酸化部位(セリン(S)96とトレオニン(T)172)とそのリン酸化キナーゼがJNKであることを2018年のiSceince誌に報告し、停滞していたGAP-43研究を前進させた。本研究は、ヒト膠芽腫に発現するGAP-43においても、齧歯類と相同性のある配列がリン酸化し、そのキナーゼがJNKであることを確認した。この結果は、ヒトのGAP-43の理解を深め、GAP-43のリン酸化制御の観点で膠芽腫の新規治療法の基盤となる重要な発見である。
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