研究課題
若手研究(B)
繊毛運動異常を示す水頭症モデルマウス(Dpcdノックアウトマウス)を用いて水頭症発現様式、機序について検討を行った。この水頭症は側脳室、第三脳室の脳室拡大を認めるものの、第四脳室の拡大は認めず脳室間で表現型に差異が存在することが示唆された。マウス内腕ダイニンを構成する8種の分子種のうち、Dnah1のmRNAの発現が減少し、対してDnah6は増加していることが明らかとなった。また透過型顕微鏡を用いた構造解析では内腕ダイニンの部分的な欠損が確認された。これによりDpcd遺伝子ノックアウトにより複数のダイニン分子種の遺伝子多寡と構造異常がもたらされていることが明らかとなった。
繊毛運動障害に伴う各臓器の機能異常については報告が増えているが、脳室上衣繊毛の運動と水頭症形成の関連性については報告が少なく、特に脳室上衣繊毛ダイニンの構成タンパクの解析については未だ報告がなく、本研究は極めて新規性の高いものであった。繊毛運動障害では非閉塞性水頭症を呈することが明らかとなった。非閉塞性水頭症は日常診療で遭遇する疾患であるが、その発症の原因、増悪の機序については未だ明らかにされていない。非閉塞性水頭症の一因として繊毛運動障害の存在が示唆され、また増悪の機序として繊毛運動ベクトルの経時的障害が存在することが示唆された。今後非閉塞性水頭症に対する治療への展開が期待される。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件)
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