研究課題/領域番号 |
17K17793
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物性
構造・機能材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片山 尚幸 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50623758)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 量体化 / エントロピー / 冷凍 / 層状三角格子系 / 三量体 / 電池反応 / 冷凍材料 / 三角格子 / 外場制御 / 固体冷凍 / リチウムイオン電池 / 電界制御 / 複合自由度 / 一次相転移 |
研究成果の概要 |
層状LixVS2系はLi量に応じて低温で多彩な電子相が現れる。これらの電子相への相転移は"量体化"と呼ばれる分子クラスターの形成を伴っており、構造相転移と同時に巨大な熱量変化を引き起こす。本研究では、このLixVS2系材料をLiイオン電池の正極材として用い、相転移線を"横に切る"ことによって電池反応を用いて巨大な熱量変化を得ることを目指した。また、LixVS2系で現れる多彩な電子相を量体化物理と巨大熱量変化材料開発という観点から物質・物性探索を行った。冷凍材料として利用可能な巨大な熱量変化を観測するには至らなかったが、巨大な熱量変化を生み出す電子相を開発し、材料について特許を取得した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られたLi0.33VS2における巨大エントロピー変化は、金属において生じるという特徴があり、これは従来の巨大エントロピー変化材料には見られない特徴である。金属は一般に高熱伝導度を持つことから、高熱伝導性潜熱蓄熱材料など、新しい機能性材料を実現するための道が拓かれた。また、最終年度の研究により、本研究で題材とした量体化系は高温相において既に量体化の短距離秩序を生じていることが明らかになった。このことは、高温相で秩序が既に発達していることを示しており、従来のエントロピー変化メカニズムに大きな変更を加える必要がある。このように、学術的にも社会的にも大きな意義が得られた。
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