研究課題
若手研究(B)
レーザー加速イオンの価数分布を、固体飛跡検出器CR-39を用いて明らかにする手法の開発を目的とし、タンデム加速器で加速された酸素イオンをトムソンパラボラシステムで価数とエネルギーごとに分光しCR-39に照射した。エッチング後の試料を光学顕微鏡下で解析したところ、エッチピット形状の価数による優位な差は観測されなかった。すなわち、通常のレーザー駆動イオン加速実験で用いられるCR-39の解析条件では、価数分布を計測することは難しく、また、CR-39をトムソンパラボラ等の装置に組み合わせ、電場によって価数を弁別することが重要であることがわかった。
レーザー駆動イオン加速は、がん治療や様々な物理実験に用いられる加速器の小型化が期待されている。高エネルギーかつ高品質なイオン加速のためには、イオンの加速メカニズムを明らかにすることが重要であり、その中でもイオンの価数分布は、加速されるイオンのエネルギーに大きく影響する。すなわち本研究で得られたCR-39のみでは価数分布を明らかにすることが難しいという結果は、電場および磁場によるイオンの分光が重要であり、現状の計測体系の高度化を必要としていることが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (37件) (うち国際学会 10件、 招待講演 1件)
神戸大学大学院海事科学研究科紀要
巻: 16 ページ: 20-26
120006719434
放射線化学
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