研究課題/領域番号 |
17K17992
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験心理学
精神神経科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
新倉 怜 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (70760750)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 時間知覚 / 統合失調症 / 疾患モデル動物 / 行動実験 / NMDA受容体 / 新生仔期 / ラット / オペラント条件づけ / 行動学 / 生理学 / 神経科学 / 精神生物学 |
研究成果の概要 |
本研究では、統合失調症モデル動物の秒単位の時間感覚の情報処理機能を定量的に評価し、その異常に寄与する神経メカニズムを同定することを目的とした。同動物は、長短の時間弁別において異常を示した一方で、一定時間の計測には異常を示さなかった。予想に反し、時間情報処理に重要と考えられるドーパミン神経系に変化は認められなかった一方で、課題遂行中の内側前頭前野における活動の増加傾向が認められた。これらの結果は、同動物の行動表現型が疾患モデル動物としての妥当性を高めたこと、同動物の時間情報処理異常がドーパミン神経活動を介さない注意機能の変化によって引き起こされた可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症は、原因や治療法など未解明な点が多い精神疾患である。この問題の解明のためには、妥当性の高いモデル動物の確立が必要とされる。近年、統合失調症患者の秒単位の時間情報処理(時間知覚)の異常が報告されているが、疾患モデル動物の時間知覚機能は今まで明らかにされていない。本研究は、統合失調症のモデル動物が統合失調症患者と類似した時間知覚機能の異常を示すことを明らかにし、同動物の疾患モデル動物としての有用性を高めた。一方、時間知覚課題遂行中の同動物にドーパミン神経系の異常は認められず、統合失調症の時間知覚異常がドーパミンに依存しないものである可能性を示した。
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