研究課題
若手研究(B)
細菌から原生生物への有機物輸送過程を見積もるために、細菌捕食性原生生物を単離し、増殖速度および最適増殖温度、疑似餌としての蛍光ビーズの捕食速度を比較した。3種の原生生物のビーズ捕食速度は2.4~13.5 beads/cell/hの幅で6倍程度異なった。また、細胞分裂に伴い合成されるDNAをBrdUで標識して計測したところ、チミンの7~15%(核酸のうち2~3%)がBrdUに置き換わっていた。一方で、BrdUを取り込まない細菌株もあった。BrdUで核酸を標識した細菌を餌として原生生物へ転化したBrdUを検出する場合、BrdU含有率と取り込みの有無が種によって異なることを考慮する必要がある。
多様な細菌捕食性原生生物と10種類の異なる種類の従属栄養細菌の単離株が得られたことは、環境中の有機物輸送過程を見積もるための室内実験を行うための最適な材料であり貴重な成果である。また、生物種によって最適な餌粒子サイズが異なる発見は、原生生物による細菌捕食が粒子サイズに関係していることを示しており、環境中での有機物輸送の効率を見積もる上で貴重な成果が得られたと言える。新たに合成される核酸をBrdUにより標識する技術を応用し、それらを定量することで、細菌の種類により2倍程度も標識効率が異なることを示した。細菌の種類によってBrdUの利用可能性が異なることを示すことができた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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