研究課題
若手研究(B)
胆汁酸受容体(Farnesoid X receptor: FXR)は胆汁酸の恒常性維持に重要な因子で肝硬変・肝がんに対して抑制的に働くことが知られている。しかしながら、肝星細胞に高発現するFXRは、培養細胞で抑制作用を示すことが示唆されているが、生体内での評価が乏しかった。本研究で、本研究で、肝星細胞のFXR遺伝子をノックアウトさせたマウスは、FXR遺伝子の全身欠損マウスと同様に、加齢に伴う肝線維化の亢進が観察された。また、FXRは、初代培養ヒト肝星細胞株HHSteCにおいて老化関連遺伝子を制御することから、老化、肝線維化ならびにFXRに分子連関が存在する可能性が見出された。
肝硬変や肝がんは、背景肝疾患に関係なく、慢性肝炎の終末像であり、効果的な治療薬は存在しない。また、高齢者ほど肝硬変や肝がんが発症するリスクが高くなることが知られている。今後、加齢に伴う肝線維化亢進の分子メカニズム、細胞が老化していく過程におけるFXRの役割など、詳細な研究が必要とされるが、本研究成果は、肝星細胞のFXRを標的とする治療戦略が可能であることを示唆している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Journal of Hepatology
巻: -
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