研究課題/領域番号 |
17K18238
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
社会学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
宮内 肇 立命館大学, 文学部, 准教授 (10722762)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 宗族 / 広東省 / 信宜県 / 革命 / 社会上昇 / 同郷 / 中国近代史 / 台山県 / 陳済棠 / 地方自治 / 郷村復興 / 地域エリート / 陳済棠政権 / 1930年代 / 広東 / 僑刊 |
研究成果の概要 |
本研究は、近代中国において宗族が自己を存続させるために、いかに思案し自己を改革しようとしたのかという関心にもとづき、1920-30年代の広東省に着目し、省政府の宗族への認識および宗族の自己意識の解明を目的としたものである。 広東省政府は孫文の地方自治政策を実行するために、省内の県およびそれ以下の行政単位に自治機関の設置を試みた。こうした自治機関は宗族間・宗族内のトラブルを解決したが、その担い手は宗族の耆老であり、伝統的な宗族の持続性が見られた。他方、青年は宗族結合を背景に革命運動に参加し、自身の社会上昇に宗族を利用するなど、その新たな価値を見出していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は中国社会の特質を考える視点において以下の意義がある。すなわち、基層社会に生きる人々は、為政者の政策や運動に対し、自己あるいは自己が所属する集団の生存・存続のために参加していった。しかし、その際には、自己あるいは集団にとっていかなる利点があるのか、あるいは、いかにして従前の関係性を維持するのかをふまえたうえでの参加であった。それは、ときに自己の従来のありようの持続として現れたり、ときには自己の近代社会における社会上昇の機会としてとらえたりした。こうした政策の意図とその基層社会における理解との齟齬は、現在にまで持続する中国社会の特質として提示することができるのではないだろうか。
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