研究課題
若手研究(B)
本研究は、東アジアの伝統教養である漢学とそれを学んだ企業家との関係について、大阪という都市に注目しながら考察している。明治期の大阪に存在した漢学塾・泊園書院は、企業勃興期と呼ばれる時期に多くの企業家を輩出した。彼らは中央と地方の双方において鉄道業・銀行業・紡績業などの企業を設立したり経営したりしたが、地域経済を発展させようとする彼らの意識の背後には泊園書院で学んだ漢学の素養があったと考えられる。
これまでの漢学と企業家との関係に関する研究は、日本資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一が取り上げられ、とりわけ彼の道徳経済合一説が注目されてきた。しかし、本研究で取り上げる泊園書院出身の企業家は、まず人数が多く、その活動地も中央と地方に及び、彼らは渋沢の教説が世に出る以前に活動している。これらの条件により、企業勃興という経済事象を思想史的にアプローチすることが可能となり、従来にない試みができたと思われる。
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『東西学術研究所紀要』
巻: 印刷中
120006871114
『泊園』
巻: 第58号 ページ: 69-126
120006708874
120006494450
https://researchmap.jp/0403