研究課題
若手研究(B)
福島県内の河川において、原発事故発生時の放射性物質の沈着量の違いや流域の面積や傾斜、植生、土地利用、土壌型などの流域の特徴が異なる地点で河川観測を実施した。研究期間中に福島県内の帰還困難区域内で発生した林野火災の跡地およびその周辺の河川流域においては集中的に調査を行った。その結果、林野火災の発生地およびその周辺では平水時には延焼地と非延焼地流域で顕著な濃度差がみられないため、放射性セシウムの水圏への流出量の変化は小さいこと、一方で、降水などの出水時には溶存態および懸濁態の濃度に変化がみられることが分かった。
原発事故により放射性物質の汚染を受けた地域は、除染作業が進み住民の帰還が徐々に進んでいる。しかし、除染の対象地域は住宅の周辺や農地などに限られており、住民が利用する水の水源地などは除染の対象となっていない。河川水は飲用水だけでなく、農業などにも利用されることから、流域の特性を把握しておくことは重要である。そのような中で発生した林野火災にともなう放射性セシウムの水圏への流出量への影響を調査したことは、流域における放射性セシウムの流出特性の理解するために必要な知見の一つになると考えられる。
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