研究課題/領域番号 |
17K18567
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
渡邉 真理子 学習院大学, 経済学部, 教授 (10466063)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 国有企業の競争中立性 / 市場経済の質 / 略奪的価格設定 / 構造推定 / 市場経済 / 地域研究 / 競争中立性 / 企業戦略の計量的推定 / 競争の質の推定 / 地域研究的手法 / 需要推定 / 中国 / 競争戦略 / 市場競争の質 |
研究成果の概要 |
中国の市場経済において、国有企業の存在は市場経済の質にどのような影響を与えているのか。これを識別するには、地域研究的手法での問題の確認では不十分で、経済学の構造推定の手法を用いて市場の均衡の質を確認することが望ましい。 本研究では、鉄鋼産業を対象に、現地調査でのヒアリングとデータ・文献収集を通じた質的な調査を行い、さらに補助金と本業である鉄鋼業の収益、価格、コストを含むデータベースの構築を行った。上場鉄鋼企業について、補助金の存在が国有企業の赤字での生産継続を選択させ、過剰生産を招いている可能性を確認した。また、借入の大きい企業ほどコスト割れでの価格付けをしている製品市場の存在も確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの地域研究での経済事象の分析は、事例研究や時事的情報の分析が中心で、こうした分析は市場経済の質のような市場の均衡がもたらす状況を識別できない。また、地域研究的知識の積み重ねのない経済学者の分析は、制度的背景とミスマッチしたモデルの適用で結果の解釈ができない。本研究は双方を統合し、社会が問題とする事象について学術的にも厳密な因果関係の推定を行った。この成果については、論文の執筆、学会報告、新聞寄稿、通商白書、政策担当者へのブリーフィングを行った。多様かつ巨大な中国の市場経済の実態を明らかにし、政治的に緊張しがちな中国と世界の間に建設的な政策議論を生む材料を提供していきたい。
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