研究課題/領域番号 |
17K18601
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学およびその関連分野
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研究機関 | 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所 |
研究代表者 |
小早川 明良 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (10601841)
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研究分担者 |
青木 秀男 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (50079266)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 被差別部落の形成 / 日本の近代 / 軍都の部落問題 / 海軍鎮守府 / 底辺労働者 / 差別のまなざし / 資本と部落問題 / 資本と被差別部落 / 被差別部落 / 近代 / 軍事都市 / 土木労働者 / 社会学 / 部落問題 / 被差別部落の消滅 / 軍都形成 / 強制と同意 |
研究成果の概要 |
被差別部落は、江戸時代の穢多非人制度の名残とされてきたが、それは正しくない。明治以降、被差別部落には、大幅に人口が増加したり減少した現象、また消滅や移転した状態が見られた。もとは被差別部落と無関係な人々が形成した被差別部落もある。つまり近代社会が被差別部落を再編し新たに形成したのである。 本研究は、最も近代的で先端技術の粋を集めた軍都で、被差別部落形成が形成される様子を分析し、一般市民がどのように被差別部落民と見なされたかを解明した。そして「普通」の人々も被差別部落民になる可能性があることを示すことができた。それは、部落問題がなぜ自らの問題なのかを考える機会の提供でもある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近現代被差別部落研究は、存在理由を封建遺制とする文脈から脱しえず、被差別部落民は封建的身分制である穢多非人に出自をもつとする。すなわち、いまなお講座派経済学の影響を引きずっている。しかし人種も民族も近代の構築物であるという理論は、現在では定説である。 本研究は、1800年代末~1900年代初頭、最先端の都市であった軍都の被差別部落形成過程を分析し、資本と軍(政府)の運動が、どのように底辺労働者を集中し被差別部落を形成させたのかをK・マルクス、M・フーコー、宇野弘蔵の三段階論をベースにして明らかにした。これによって、部落問題研究が近代現代日本の重要課題であることを示した。
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