研究課題/領域番号 |
17K18759
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性物理およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘明 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(PD) (10783186)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 赤血球 / 細胞力学 / ヘモレオロジー / マイクロ流体工学 / パターン形成 / 多体相互作用 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
血液はたくさんの柔らかい血球細胞が分散した溶液である。このような溶液の流動性は単純な粘性流体とは大きく異なる。本研究では、マイクロ流路と呼ばれる、毛細血管と同じくらい細い管を用いた実験を行い、個々の赤血球が流れの中で作る空間パターンを調べた。その結果、赤血球の密度(ヘマトクリットとも呼ばれる、血液中の赤血球体積分率)が生体内と同程度の条件において、赤血球周囲に生じる流れにより赤血球の撹拌が激しくなり、また特徴的な速度相関の空間構造をつくることが実証された。さらに高密度では、密なパッキングによりこの空間構造が消失することもわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液はたくさんの柔らかい血球細胞が分散した溶液であり。このような溶液がどのように流れるのか、どのようにサラサラ・ドロドロ(粘性)の性質が現れるのかを知ることは、医療の進展にもつながる基礎科学の目標の一つである。本研究結果では、赤血球の密度に応じて流れ方が質的に異なり、特に生理濃度以上の赤血球密度では流体よりも粒子としての性質が流れに強く影響することがわかった。ここで得られた成果は、貧血や多血症、脱水症状などの異常時における血液の流れ方の理解に向けた大きな手がかりとなる。
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