研究課題/領域番号 |
17K19053
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人豊田理化学研究所 (2018) 名古屋大学 (2017) |
研究代表者 |
齋藤 弥八 公益財団法人豊田理化学研究所, フェロー事業部門, フェロー (90144203)
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研究分担者 |
永井 滋一 三重大学, 工学研究科, 助教 (40577970)
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研究協力者 |
中原 仁
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | グラフェン / エッジ状態 / 電子スピン / スピン偏極 / 電界放出 / 酸化グラフェン / パイ電子 |
研究成果の概要 |
グラフェンから電界放出された電子のスピン偏極度を,電場・磁場重畳型スピン回転器とMott検出器の搭載された電界放出電子スピン偏極度測定装置により行なった。 リップパターンを示すグラフェンエミッタに対して,室温において57.0%,低温(45K)において66.5%のスピン偏極度が測定され,グラフェンのエッジ部はスピン偏極していることが実証された。また,120分間にわたるスピン偏極度の経時変化では,偏極度の高い状態と低い状態を行き来する2つの状態が観察された。この偏極度の増減は,グラフェンのエッジへの水素の吸着・脱離に起因する事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のグラフェン端のスピン秩序配列の実験的検証は,固体基板上のグラフェン・ナノリボンを試料とする各種の走査プローブ顕微鏡法による電子状態測定,グラフェン片集合体を試料とする磁気測定などの状況証拠的あるいは間接的なものでしかない。これに対して,本研究では,超高真空中で支持されたグラフェンの端からのトンネル効果により放出された電子のスピン偏極を直接測定するという独自の手法により,そのスピン偏極を実証した点に学術的意義がある。 また,炭素ベースの全く新しいスピン偏極電子源の開発ならびにグラフェン端のナノ磁性を利用したスピントロニクスへの展開の萌芽となり得る点で社会的意義がある。
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