研究課題/領域番号 |
17K19061
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
河裾 厚男 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 上席研究員(定常) (20354946)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 陽電子 / ポジトロニウム / スピン / グラフェン / トポロジカル絶縁体 / ディラック電子 / スピン偏極 / 表面 / h-BN / 六方晶窒化ホウ素 / スピンエレクトロニクス / 物性実験 |
研究成果の概要 |
スピン偏極陽電子ビーム分光法を用いて、強磁性Co,Ni,Fe及びCo2FeGa0.5Ge0.5(CFGG)上のグラフェン、そして、通電下にあるトポロジカル絶縁体(Bi2Se及びBi2Te)の最外層のスピン偏極状態を観測した。その結果、CoとNi上のグラフェンには強いスピン偏極が誘起されるが、ディラック電子状態が完全に破壊されること、CFGG上のグラフェンにはスピン偏極は殆ど誘起されないが、ディラック電子状態は維持されること、が明らかになった。トポロジカル絶縁体表面のスピン偏極率は、0.1%以下と極めて低いことが解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単原子層物質であるグラフェンは、スピントロニクス分野において精力的に研究されている。通電下にあるトポロジカル絶縁体の表面には高いスピン偏極が誘起されると考えられており、これもスピントロニクスや量子テクノロジーで有望視されている。本研究で知り得た事実は、強磁性金属にグラフェンを接合して高いレベルのスピンを注入しようとすると本来のディラック電子状態が破壊されるというものであり、これは基礎研究のみならず応用上も重要な知見である。また、トポロジカル絶縁体表面には、夢のような高スピン偏極状態は実現していないという事実は、応用を進める上では真剣に考えられなければならない。
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