研究課題
挑戦的研究(萌芽)
細胞膜上に存在するGタンパク質共役型受容体(GPCR)は、シグナル伝達機構で働き、生命に必須な様々な機能に関係している。GPCRは、多くの病気に関係しているため、30%以上もの医薬品がGPCRをターゲットとしている。本研究計画では、GPCRに抗体を結合させることで分子量を大きくし、クライオ電子顕微鏡法により構造解析を行うことを目的とした。GPCRにしっかりと結合する抗体の作製に成功したが、電子顕微鏡でGPCR-Fab複合体を観察したところ、クライオ電子顕微鏡用のグリッド作製時にFabとGPCRが分離してしまっていることが確認された。
多様な生命現象に関わっているGPCRは、機能的にも創薬ターゲットとしても重要な膜タンパク質である。従来のX線結晶構造解析の手法に加え、クライオ電子顕微鏡法でもGPCRの構造解析が可能になると、GPCRの立体構造が解明できる可能性が高まり、GPCRの機能の解析や、合理的な創薬に役立つ。本研究計画では、実際にクライオ電子顕微鏡法でGPCRの構造を決定するには至らなかったが、研究の過程で培った経験は、電子顕微鏡を用いた膜タンパク質の構造解析に役立つと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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