研究課題/領域番号 |
17K19371
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2018) 東北大学 (2017) |
研究代表者 |
山元 大輔 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所, 上席研究員 (50318812)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | インスリンシグナリング / インスリン産生ニューロン / 環境適応 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
代表的な実験室系統、w[1118]を用い、低温・短日・飢餓を組み合わせた条件に羽化後1週間、成虫を置くことにより、雌の卵巣休眠(卵黄蓄積が起こらない状態)を誘導した。即ち、14段階に区分される卵発生のstage-7を超えて発生の進む卵は、全卵巣に一つもない状態となる。この計測法を用いて、休眠を引き起こす細胞間および細胞内の情報伝達機構を解明した。脳のインスリン産生細胞(IPC)の活動レベルが低いほど、卵巣休眠率は高い傾向にあった。さらに、主要な内分泌腺の一つ、アラタ体における幼若ホルモン合成を遺伝的に操作する実験の結果から、幼若ホルモンの合成活性が高いほど卵巣休眠率が低いことも明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
休眠は、「もう一つの生命」とでも呼ぶべき異質の生存状態であり、劇的なストレス耐性を生命体に賦与する。その機構の解明は、従来、我々が手にしたことのない異次元の生命操作技術を提供するかもしれない。今回の成果は、脳のインスリン産生細胞がその制御の中心にあることを示しており、これらの細胞の膵臓β細胞との機能的類似性を考えると、ヒトでも相同の機能がある可能性も否定できず、新たな環境適応への道を模索する上で、斬新な視点を提供しうる。
|