研究課題/領域番号 |
17K19392
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (2018) 京都大学 (2017) |
研究代表者 |
遠藤 求 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80551499)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / 概日時計 / カリウム / 長距離シグナル伝達 / 長距離輸送 |
研究成果の概要 |
本研究では植物個体において個々の器官・組織が持つ時間情報を統合する仕組みを解析した。地上部と根を結ぶ維管束系に着目し、根にカリウムを投与し道管液中のカリウム濃度や地上部における概日リズムを計測した。その結果、AHA1を介して根から取り込まれたカリウムは道管を通じて地上部へと輸送され、地上部の概日リズムの安定性を制御していることを明らかにした。さらにカリウムによって安定化された概日リズムは周期的な糖産生へとつながり、それによって今度は地上部から根へと時間情報が伝達される可能性を見出した。 以上より道管と篩管を介した根と地上部の間の時間情報の共有メカニズムとして栄養が重要であることが明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カリウムは植物の三大栄養素であり、植物が最も必要とする元素である。これらの元素の役割は栄養素としてこれまで解析されてきたが、本研究によって根の時間情報を伝えるための情報源としても働いていることを明らかにした。同様に光合成よって作られる糖も栄養素としてだけでなく、地上部から根へと時間情報を伝える情報源として機能している可能性を示していることから、植物にとって重要な栄養素と概日時計をカップリングさせることで、より効率的な栄養の取り込み、産生、輸送、利用を可能にしている可能性が見出され、農業への応用が期待される。
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