研究課題/領域番号 |
17K19486
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
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研究協力者 |
金子 周司
森 泰生
中川 貴之
永安 一樹
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | オリゴデンドロサイト / 白質傷害 / 認知機能障害 / 慢性脳低灌流 / 多発性硬化症 / ミクログリア / マクロファージ / TRPチャネル / 脱髄性疾患 / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / TRPV4 / TRPM2 / 認知症 / Ca2+シグナリング / 脳神経疾患 / 白質障害 |
研究成果の概要 |
髄鞘を形成することで神経伝導速度を高めるオリゴデンドロサイトは脳の白質における主要な構成細胞であり、その変性が認知機能障害を含む高次脳機能に悪影響を及ぼすことが示唆されてきたが、それを支持する適切な動物モデルやその変性に至るメカニズム、そして治療標的に関する情報は不足しているのが現状である。本研究結果より、認知機能障害を呈する動物モデルとして慢性脳低灌流症や多発性硬化症に着目して解析した結果、脳内のミクログリアや末梢から浸潤するマクロファージが病態形成に深く関与し、Ca2+透過性陽イオンチャネルであるTRPM2チャネルが同細胞の病態生理学的な機能発現に重要であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知機能障害は、アルツハイマー病をはじめとする認知症はもちろんのこと、認知症以外の他の中枢神経疾患である脳血管疾患や多発性硬化症、うつ病、統合失調症においても臨床上重要な問題となっています。本研究により、脳内の過剰な炎症や神経軸索と髄鞘が密集している白質の傷害に起因する認知機能障害に対して、脳内のミクログリアや末梢から浸潤するマクロファージが深く関与することが示され、その病態メカニズムの一部も明らかになりました。さらに白質を形成するオリゴデンドロサイトの増殖機構やその制御機構の一部も明らかとなりましたので、これら機序への治療的介入が当該神経疾患の新たな創薬戦略となることが期待されます。
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