研究課題/領域番号 |
17K19559
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河合 太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50456935)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 自然免疫 / 炎症 / マクロファージ / サイトカイン / 遺伝子発現 / シグナル伝達 / 樹状細胞 / 免疫寛容 / LPS / ウイルス感染 |
研究成果の概要 |
自然免疫細胞は初期の感染に応じて性質が変化し、次の感染に対する応答が変化することが示唆されている。本研究では、胎児期における自然免疫活性化が子孫の免疫系成立に及ぼす影響について調べた結果、ウイルスRNAを投与した妊娠マウスの仔の自然免疫細胞では細菌成分LPSによる炎症性応答が低下する寛容傾向にあることを見出した。このことは胎児期での自然免疫活性化がその後の免疫応答の方向性を規定することを示唆している。また、脱メチル化酵素TET-1やV型ATPase複合体の構成因子がLPSに対する自然免疫応答を負に制御している可能性を見出し、これらが免疫寛容の維持に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然免疫系の破綻はがん、自己免疫疾患、アレルギー等様々な疾患を誘導することが知られている。本研究は、マウスにおいて妊娠期にウイルスRNAに暴露された母マウスから生まれた仔マウスの自然免疫細胞の活性化が低下しており一種の免疫寛容を呈している可能性を示した。このことから、自然免疫細胞の機能は胎児期にある程度規定されていることが示唆された。このことは、自然免疫系が関与する疾患において、胎児期での感染暴露経験がその後の疾患発症に関連している可能性があることから、本研究成果は、免疫系の成立機構を理解する学術的意義に加え、疾患治療や診断において社会的意義があると考えられる。
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