研究課題/領域番号 |
17K19569
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
井ノ口 仁一 東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (70131810)
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研究分担者 |
鈴木 明身 東北医科薬科大学, 薬学部, 客員教授 (70134533)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | GM3ガングリオシド / 慢性炎症 / TLR4 / グロボシド / 糖尿病性腎症 / 自然免疫 / ガングリオシド / GM3 / メタボリックシンドローム / ガングリオシドGM3 |
研究成果の概要 |
ヒト血清中ガングリオシドは、その90%以上がGM3であり、セラミド構造の多様性に基づいて約23の分子種が存在している。GM3分子種の自然免疫における生理活性をヒト単球を用いて検討したところ、極長鎖飽和アシル鎖を有するGM3分子種は、TNFαなどの炎症性サイトカインの産生を著しく促進することが明らかになった。一方、セラミド部分が長鎖・不飽和のGM3分子種は、逆に抑制効果を示した。TLR4活性化を左右するGM3分子種の生理活性を理解することによって、生体内の脂質環境を反映した、きわめて精密なTLR4活性化機構と慢性炎症惹起機構が明らかになると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TLR4に作用する炎症促進性GM3分子種および炎症抑制性GM3分子種が存在し、メタボリックシンドロームの進行に沿って、発現バランスが炎症促進性へシフトすることを見出した。これらのGM3分子種の生理活性は、セラミド構造中のアシル鎖の鎖長や飽和度、水酸化修飾によって制御されており、炎症促進性GM3分子種は極長鎖飽和アシル鎖をもつ分子種であり、一方、炎症抑制性GM3分子種は、長鎖または不飽和アシル鎖をもつ分子種であった。これらの知見から、患者血清中のGM3分子種の定量解析による慢性炎症状態の診断・評価法の開発や、炎症抑制性GM3投与による新たな慢性炎症制御法の開発が期待できる。
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