研究課題/領域番号 |
17KK0045
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大林 一広 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30598149)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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キーワード | 内戦 / 議会 / 暴力 / 紛争 / テキスト分析 / 計量分析 / 国内紛争 / 対反乱政策 |
研究成果の概要 |
国内紛争下の準民主主義国において、議会は紛争に対してどのような影響を持つのか。本研究では、特に議会での議員発言が戦闘や市民に対する暴力に与える効果を分析した。フィリピンとコロンビアを事例とし、議会での議員発言のテキスト・データを自動内容分析を用いて分類し、一定のタイプの発言の効果について計量分析を行なった。その結果、議会での和平協議についての発言が過激派反乱軍と政府との戦闘リスクを上昇させること、市民に対する暴力についての議員発言が反乱軍の暴力レベルを低下させることなどが示唆された。また、サーベイ実験の結果から、国内紛争下の暴力について、市民が議員に一定の期待を抱いていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究結果は、大きく2つの意義を持つ。学術的には、従来、国内紛争の研究においては議会の強さが紛争の長さに影響を与えることが示されてきた。それに対してこの研究では、議会、特にその中での議員発言が紛争中の暴力のレベルに影響を与えることを示した。更に、議員発言の背後には有権者の議員に対する期待と議員の再選動機がある可能性が示された。但し、その効果が生じる条件については更に精査する必要がある。政策的には、国内紛争下の暴力を抑制するために国際社会や国内の市民団体などが議員に働きかけることの有用性や、和平協議を進めることの副作用にも留意すべきことが示された。
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