研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
本研究は、MIFE法と呼ばれる非侵襲的な電気生理解析技術を適用し、イネのNa+やK+の輸送・分配に関与する量的形質遺伝子座の責任遺伝子同定の加速を試みる目的で実施された。初年度は、予定通り長期渡航が実現し、日本から持ち込んだ種々のイネ系統を利用しながら、MIFE法の測定技術を取得することができた。しかしながら、次年度以降、新型コロナの影響により渡航や現地での実験が困難となった。主たる研究目標はとん挫したが、初年度の材料をもとに耐塩性に関する共同研究を進めた。当研究室で注目するイネのいくつかの遺伝子が、実際に根の表層のNa+輸送に直接関与している新規の証拠を、MIFE法を用いて得ることができた。
MIFE法は、細胞・組織を介したイオンの流束を、非侵襲的かつ定量的に解析できる電気生理技術である。その汎用性は、植物に限らず微生物から動物細胞まで多岐にわたり、今回共同研究を実施した研究機関が祖となり、その活用が世界に広がりを見せている。残念ながら、感染症の影響で本来の研究目標を達成することはできなかったが、将来の日本への同測定系の導入を目指して、基本技術を自ら習得することができた。また、類似のプロジェクトを急遽実施しながら、本研究期間に重要な成果をあげることができた。更には、共同研究パートナーとは信頼関係を深め、今後も共同研究体制を継続することになった。近い将来日本にMIFEを導入したい。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
Breeding Science
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International Journal of Molecular Sciences
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http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.OFTmWUDU.html