研究課題
基盤研究(B)
昼夜環境への適応するため植物は概日時計システムを利用している。個々の細胞がもつ細胞概日振動子を基本単位に植物個体内で自律的に形成される時間秩序について、植物増殖時、個体加齢時の秩序形成過程や法則、細胞概日振動子の特性を明らかにした。発光概日リズムをしめす形質転換ウキクサを観測することで、クローン増殖する植物の親子間の概日時計の伝達様式と植物体内での細胞振動子の示す時刻の空間的なパターン形成様式を見出した。孤立細胞概日振動子の性質や質的に異なる細胞概日リズムを解明した。それらの結果に基づき、細胞振動子間の結合程度が成熟・加齢に伴い減少する植物個体内時間秩序形成モデルを構築した。
本研究の成果は、植物個体増殖する際にどのような時間秩序形成を行うかを初めて明確に示した点で、時間生物学分野で重要な意味を持った。分裂組織から成熟個体まで発生しても細胞間相互作用を軸に、自律的な秩序形成を行えることを示した点で、概日時計システムのみならず、他の様々な細胞自律的システムの時空間的制御の理解を助ける事例となると期待される。本研究で用いたウキクサ植物は近年、産業応用可能な新たな有用植物として期待されており、研究成果の昼夜環境対策などのウキクサ栽培技術への応用に加えて、ウキクサ植物用に本研究で開発された様々な研究手法は今後の応用研究の基盤になると期待される。
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