研究分担者 |
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
宮岡 洋一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)
辻 雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (40252530)
志甫 淳 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30292204)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 1,800千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
当該研究は次の2つの部門からなる. (I)代数的サイクルのHodge理論的研究 (II)代数的サイクルの数論的研究. 以下,特に部門(II)に関連する成果ついて説明する.部門(I)の成果については,研究成果において説明する. モチフィックコホモロジーとは,代数体の整数環のイデアル類群や単数群,代数多様体のChow群などを一般化したもので,数論的多様体のL-関数とも密接に関連する重要な研究対象である.これにたいする重要な未解決問題として数論的多様体のモチフィックコホモロジーの有限性予想がある.これは,代数体のイデアル類群が有限であること,あるいは代数体の整数環の単数群が有限生成であるという古典的な基本定理の高次元版である.この予想については,これまで上述1次元の場合を除いて殆ど肯定的な結果はなかった.当該研究の最初の成果として,この問題に対する一般的なアプローチを発見した.基本的なアイデアは上述の予想を加藤予想と関係付けることである.加藤予想とは,上述の問題とはまったく別のコンテクストにおいて加藤和也氏により1986年に提出された予想である.加藤氏は,有限体上の射影的で滑らかな多様体X,あるいは整数環上のregular proper flatなスキームXにたいし,ある数論幾何的な不変量を定義して,これが消えていることを予想した.Xが有限体上の曲線,あるいは代数体の整数環のスペクトラムの場合の加藤予想は,有限体上の一変数関数体あるいは代数体Kのブラウアー群に関する古典的類体論の基本事実(K上の中心的単純環にたいするHasse原理)に同値である.当該研究では,加藤予想を「適当なスキームの圏上で定義される一般的なホモロジー理論に付随するBloch-Ogusスペクトラル系列のE^2項の適当な条件のもとでの消滅定理」という一般的枠組みにおいて考察することにより,特異点の解消を認めたうえで,有限体の多様体にたいする加藤予想を解決することに成功した.一方,最近Gabberはde Jongによるalterationを精密化することに成功した.alterationの次数をあらかじめ固定した(標数と異なる)素数と素に取ることが可能であることを示したのである.当該研究の次の段階の成果はこれを用いることにより,有限体の多様体にたいする加藤予想の標数と素な部分を特異点の解消の仮定なしに示すことに成功したことである.
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