研究課題/領域番号 |
18360162
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70199115)
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研究分担者 |
秋光 淳生 The University of Tokyo, Graduate School of Engineering, Research Associate (Academic year 2006 only) (60334348)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,420千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 1,320千円)
2007年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2006年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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キーワード | 超音波イメージング / マルコフ ランダムフィールドモデル / 位相特異点 / 位相アンラッピング / 複素ニューラルネットワーク / 非接触形状計測 / マルコフ ランダム フィールドモデル / 波動工学 |
研究概要 |
超音波反射計測は、医療分野や海洋計測、その他の計測分野で広く用いられている。しかし、超音波が波動として伝播する際に生じる多重反射や屈折、サイドローブなどがさまざまな虚像(アーティファクト)を生み出す。本研究の目的は、得られた観測原画像を複素ニューラルネットワークによって適応的に処理することによりアーティファクトを特定・除去して、より正確な読み取りやすい超音波画像を得るための基礎原理を確立することである。申請者らが提案し研究を推進してきた複素ランダム・マルコフ・フィールド(CMRF)モデルと複素ニューラルネットワークをその理論の基礎とする。複素ニューラルネットワークは脳機能を模擬したニューラルネットワークを拡張し、位相情報を明示的に扱うことによって波動現象を適応的・柔軟に扱えるようにしたものである。これを適応的な複素振幅画像処理に用いて、画像中のある映像がアーティファクトであることの特定とその除去の方法を構築する研究を進めてきた。その結果、次のような大きな成果が得られた。 (1)擬似連続波で反射波・散乱波の位相を計測するシステムの構築: 海底地図作成などの状況を想定して、音響インピーダンスの差異が大きいくっきりした界面を有する対象物体の計測を行う実働システムを構築した。反射波計測の直後にA/D変換を行いFFTによって観測すべき周波数成分の位相と振幅を高精度に得ることが可能なシステムを作り上げた。 (2)位相特異点の除去手法の開発とその実証: 上記システムによって得られるデータには、位相特異点が多数含まれており、このままでは対象形状が得られない。この問題を解決するため、「位相特異性拡散法」と名付けた方法を提案し、その理論を構築した。また、実際にこれを適用して、スペックル(アーティファクト)を除去して、良い推定界面形状を得ることに成功した。また、CMRFモデルに基づく複素振幅修復方法を提案し実際にシステムにソフトウエアとして組み込んだ。これを位相特異点とその近傍ピクセルに適用することにより、位相特異点の大幅な削減と位相値の精密な保存とを両立させる、高性能な位相特異点除去が可能であることを実証した。
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