研究課題/領域番号 |
18500205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
小林 春美 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60333530)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 言語獲得 / 指示意図 / 語意獲得 / 母子相互作用 / 部分名称 / 指さし / 下位カテゴリー名称 / 語用論的解釈 / 幼児 |
研究概要 |
1)幼児による範囲特定的指さしの理解と部分名称獲得 事物の部分への指さしが、部分名称獲得のために利用できるかを、幼児と大人を対象として実験により調べた。事物の部分に触れて指さしをする場合に、部分の範囲を人さし指でなぞるように触れると、2歳児でも正しく触れた部分と名称を結びつけて解釈できることがわかった。2歳児では単に部分に触れるだけではそれができなかったので、範囲特定的な指さしをすると、部分名称の獲得が容易になることが示唆された。 2)不一致ラベルづけ実験時の養育者の視線と発話タイミングの解釈 見慣れない2つの事物を示し、大人がラベルづけしているときに見ている物と、その時子どもが見ている物が不一致の状態のときに、子どもはどのように視線を動かすかをビデオにより調べた。子どもが注意を自分が遊んでいる事物に10秒以上集中させているときにラベルづけを行うと、4歳児では6割程度の子どもが大人の視線を確かめることなくもう一方の事物をとっていた。2歳児でもこの行動の萌芽が見られた。幼児は発話タイミングを正しく解釈することにより事物を特定できる能力を持つことが示された。 3)幼児による指示意図の推測と下位カテゴリー名称の獲得 「このイヌはシバです」というような「この○○は△△です」という属性的な提示は、単に「これはイヌです。これはシバです」と並列的な提示するよりも、下位カテゴリー名称の獲得を促進するか調べた。刺激カードには中央に1体のイヌを配置し、異なる提示方法で下位カテゴリー名称を提示した。結果、属性的な提示方法で提示されると、4歳児は下位カテゴリー名称の獲得がしやすいことが確かめられた。この効果は、「これはイヌです」と「このイヌはシバです」という2つの文を、別々の提示者が行っても、同一の提示者が行っても同様に得られた。言語形式が指示意図をよく表しているためと推測した。
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