研究概要 |
本研究は携帯電話の学習ツールとしての活用に着目し,聴覚障害者のための高等教育機関において,携帯電話を学習目的に利用するための方策を検討し,携帯電話用教材を開発することを目的としている。 (1)「助詞検定」教材アプリの開発 聴覚障害者のための高等教育機関である聾学校で切実な問題となっている日本語表現(特に,助詞の正しい使い方)の改善のために,携帯電話でいつでもどこでも利用できる助詞検定を作成した。 ・助詞検定はレベル別に10〜4級からなり,各級に練習問題と検定試験とがある(実装は1級まで可能)。 ・各級の練習問題は1セット10問の多肢選択式で,4セット満点を取ると,検定試験を受検できる。検定試験問題は記入式で,合格(90%以上)すると次の級の練習問題に進む。 ・学習データとして,各級の初回の検定試験の点数及び検定試験の受検回数を取得できる。 ・本格的な実施に向けて試行を行い,また,アンケート調査の結果,助詞検定が有用であるとの確信を得たので,今後,全国の聾学校へ提供していく予定である。 (2)携帯電話利用のロボット教材のカリキュラム開発と実践 ・携帯電話で制御するロボット教材の開発と,聾学校での2回完結型の実践カリキュラムを作成した。 ・聾学校での実践は,講義,ロボット製作実習,携帯電話での制御実験である。携帯電話の赤外線通信及びテレビ電話機能を利用している。 ・生徒は生き生きと取り組み,携帯電話の幅広い学習利用について理解できたと思われる。
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