研究課題/領域番号 |
18520179
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
越智 博美 一橋大学, 商学研究科, 教授 (90251727)
|
研究分担者 |
三浦 玲一 一橋大学, 言語社会研究科, 准教授 (70262920)
吉川 純子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (20251316)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,570千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | モダニズム / 冷戦 / ジェンダー / ポストモダニズム / ナショナリズム / アイデンティティ / マスキュリニティ / 占領政策 / 男性性 / 帝国主義 / ヘミングウェイ / フィッツジェラルド / 新批評 / 消費文化 |
研究概要 |
本研究は、歴史的、文化的な構築物としてのモダニズムを、国家言説、冷戦の政治言説、ジェンダー・セクシュアルティ言説の相互干渉性の視点から再考し、それらの言説の関係からモダニズムのキヤノン性の構築過程の再考を目指すものである。 越智は、新批評と冷戦の国家言説の結びつきを国務省の文化政策との関わりから検証する作業として新批評が南部から全米の批評になる過程のロジックの検証、およびアメリカ国立公文書館所蔵の資料をもとに占領期日本におけるGHQの図書館に関する研究を行った。三浦は、現代から見たモダニズム「美学」、モダニズム文学のナショナル/インターナショナルな意義の検討を課題とし、Walter Benn Michaelsとの議論を重ねつつアイデンティティ概念を軸にフォークナー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイを捉え直す作業をした。吉川は、とりわけヘミングウェイの男性性の構築と冷戦、およびモダニズム言説のジェンダー性を考察するというテーマのもと、プリンストン大学図書館所蔵の30〜50年代のヘミングウェイ関連の記事を収集してヘミングウェイのメディア・イメージを分析し、彼のイメージが、戦後のコマーシャリズムと一種の冷戦恐怖への癒しの文脈から、以前の「闘う男」からむしろ快楽を追求する消費者としての男しさへと劇的に変化した経緯を跡づけた。 モダニズム美学をナショナル、インターナショナルな視点を介して歴史化して再検討する試みは後に挙げるような諸発表がその成果の一部だが、これらからネオリベラリズム言説の源泉としての冷戦文化言説というテーマが導き出され、現在そのテーマの研究にはいったところである。
|