研究課題/領域番号 |
18530174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 京都産業大学 (2007) 神戸大学 (2006) |
研究代表者 |
井川 一宏 京都産業大学, 経済学部, 教授 (80031392)
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研究分担者 |
利 博友 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40283460)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,850千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 中国の経済発展 / 動学的多数国CGEモデル / 東アジアの国際分業 / 東アジアの経済統合 / セグメンテーション / 東アジア共同体 |
研究概要 |
研究目的に関連して、中国の経済発展の特徴、東アジア通商戦略、CGE分析の3点に研究実施の焦点をあわせた。大別して次の2つの研究を行なった。 1.中国の経済発展の理論モデルを構築し、東アジア共同体の枠組みを検討した。中国沿岸部の先進地域と内陸部の後進地域の格差を考慮したモデルを構築し、経済発展に伴って、産業の特化・分業パターンが決まるシナリオを示した。東アジアの分業は、日本(韓国・台湾)がコア部品を中国・アセアンに輸出し、中国・アセアンはそれを使った完成品を欧米に輸出するといった三角貿易である。研究では、セグメンテーションの理論的分析が手がけられ、規模の経済と範囲の経済が東アジアの「新しい国際分業形態」に生かされていることがわかった。また、東アジア共同体に対する、ASEAN+3とASEAN+3+3の枠組みの違いとその戦略的な意義について検討した。 2.CGE(計算可能一般均衡)モデルによって、東アジアの経済統合の進展を数量的に把握した。その場合、EUの経済統合の拡大と比較検討することで、理論の一般化を目指した。既存の動学的CGEモデルを改良・修正した動学的CGEモデル(中国の特色を考慮できるように拡張)を使って、東アジアを中心にした貿易・直接投資の結合を数量的に捉えた。CGEモデルによる分析の結果、広範囲のアセアン+3(日中韓)FTAは、狭い範囲のアセアン+中国やアセアン+韓国などよりも、必要となる構造変化が少ないことが判明した。セグメンテーションによる分業が深化したなかで、安易な部分的FTAのグルービングはかえってマイナスとなる点は興味深い結果である。
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