研究課題/領域番号 |
18590801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋下 雅弘 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (00261975)
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研究分担者 |
江頭 正人 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80282630)
飯島 勝矢 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00334384)
大内 尉義 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80168864)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 老化 / エイジング / Sir2 / Sirt1 / 心血管疾患 / 動脈硬化 / 内皮機能障害 / 血管内皮細胞 / 一酸化窒素 / 細胞増殖 / 酸化ストレス |
研究概要 |
血管老化あるいは血管障害が全身老化の一表現であるという観点から、抗老化作用を有するNAD依存性脱アセチル化酵素Sir2の哺乳類ホモログSirt1が血管老化、血管障害に果たす役割を検討することを本研究の目的とした。まず培養ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用いて、Sirt1阻害による血管内皮細胞の老化形質への影響を検討した。Sirt1阻害薬sirtinolおよびSirt 1 siRNAの処理により、10日目には、老化関連beta-galactosidase (SA-beta-gal)活性の増加、増殖の停止、大型化といった老化形質の発現を認めた。同時に、PAI-1発現の増加、内皮型NO合成酵素(eNOS)の活性低下がみられた。sirtinolおよびSirt 1 siRNAはHUVECにおけるp53のタンパク発現に影響することなくアセチル化を促進した。Sirt1阻害で老化形質を示したHUVECは、増殖因子刺激による細胞内シグナルも減弱していた。これらと逆に、遺伝子導入によりSirt1を過剰発現させると、過酸化水素刺激で誘導したHUVECの早期老化形質はすべて抑制された。次に、Sirt1発現・活性を保持し、内皮細胞老化を抑制する薬剤を探索した。その結果、フォスフォジエステラーゼ3阻害薬のシロスタゾールが、eNOS活性とSirt1発現の保持を介して、過酸化水素刺激で誘導されるHUVECの早期老化形質を抑制することがわかった。これらの結果から、Sirt1は血管内皮細胞の老化を防ぎ、NO産生など内皮細胞機能の維持に作用すると考えられた。
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