研究課題/領域番号 |
18590948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大八木 保政 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30301336)
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研究分担者 |
本村 今日子 九州大学, 大学院・医学研究院, 技術職員 (20380644)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / アポトーシス / 塩酸アポモルフィン / 3Xトランスジェニックマウス / 認知機能 / 神経原線維変化 / 酸化ストレス / p53 / プロテアソーム / 神経保護 |
研究概要 |
アルツハイマー病(AD)の病態機序として、細胞外蓄積アミロイドβ蛋白(Aβ)によるアミロイドカスケード仮説が知られている。一方で、神経細胞内に蓄積するAβによる神経毒性の重要性が近年提唱されており、我々は最近、細胞内蓄積Aβの分解を促進する薬剤として塩酸アポモルフィン(APO)を見出し、ADの治療・進行防止薬として特許出願を行った。また、H_2O_2添加によるアポトーシス誘導系で細胞生存率の著明な改善が見られ、APOはADの神経細胞死を抑止する治療薬候補と考えられた。また、APOの細胞保護効果はH_2O_2添加の酸化ストレス誘導に対して強力であり、細胞内グルタチオンペルオキシダーゼ活性上昇作用があることを明らかにした。 我々はさらに、ADの動物モデルにおいてAPOの治療的効果を検討した。家族性ADの2つの原因遺伝子(APP・PS1)と神経原性変化(NFT)タウ蛋白の遺伝子変異を有する3XTgマウス(APP-KM670/671NL,Tau-P301L,PS1-M146V)では、4ヶ月齢で海馬や大脳皮質の神経細胞にAβ42が蓄積、短期記憶が障害され、NFT類似のリン酸化タウ蓄積が見られる。6ヶ月齢の3XTgマウスにおいて、AP0 5mg/kg週1回皮下注射を1ヶ月間行った所、モリス水迷路解析で記憶機能の改善を認めた。さらに、非注射マウスと比較して、海馬や大脳皮質の神経細胞内のAβおよびリン酸化タウ蛋白の蓄積が軽減していた。以上より、APOは培養細胞における細胞内Aβ分解促進作用や抗アポトーシス作用だけでなく、ADモデルマウスにおいても認知機能および病理学的な改善効果があり、AD患者における有力な治療薬候補であることをあきらかにした。
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