研究概要 |
尋常性乾癬は、自己免疫性炎症性皮膚疾患であり、種々のケミカルメディエーターが本疾患の病態を調節している可能性がある。Prolactinは表皮ケラチノサイトにおいて、Th1, Tc1細胞の遊走を促すケモカインCXCL9, CXCL10, CXCL11の産生とTh17細胞の遊走を促すケモカインCCL20の産生を促した。Leukotriene B_4はケラチノサイトにおいて、メモリーT細胞の遊走を促すケモカインCCL27の産生を促した。Prolactin, Leukotriene B_4は、これらのケモカインを介して尋常性乾癬病変部へのT細胞の浸潤を促すと考えられる。Leptinはケラチノサイトによる抗菌ペプチドhuman β-defensin-2の産生を促した。Histamineはケラチノサイトによるhuman β-defensin-2, human β-defensin-3の産生を促した。Leptin, histamineは抗菌ペプチドを介して皮膚の抗菌活性を増強するとともに,表皮細胞の増殖,血管新生,Th17細胞の浸潤を促し,尋常性乾癬の進展を促すと考えられる。
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