研究課題/領域番号 |
18591692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,160千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 海馬 / 電位感受性色素 / 細胞内カルシウム / P / Q型カルシウムチャネル / ω-アガトキシンIVA / GABA_A受容体 / サイアミラール / ω-アガトキシン / チアミラール |
研究概要 |
本研究では、マウス(系統:C57BL6J)の大脳皮質および海馬切片標本を用いて、刺激に対する興奮伝搬および細胞内Ca^<2+>濃度変化の画像解析によって、虚血性神経細胞障害とP/Q型カルシウムチャネルの関連等を検討した。 (1)大脳皮質V層に対する電気刺激は、II-III層を広範に広がる興奮伝搬と細胞内Ca^<2+>濃度上昇を誘発するが、P/Q型カルシウムチャネルブロッカーであるω-アガトキシンIVAにより興奮伝搬と細胞内Ca^<2+>濃度上昇は抑制され、大脳皮質の興奮伝搬にはP/Q型カルシウムチャネルの役割が重要であることが示唆された。 (2)大脳皮質、海馬の切片は、酸素化クレブス液中では作製から20時間後でも刺激に応答する興奮伝搬が認めるが、一過性に5分間の無酸素・無グルコースを負荷した切片では、20時間後の興奮伝搬応答は消失する。この一過性無酸素・無グルコース負荷時に、ω-アガトキシンIVA(200 nmol/l)を共存させた切片および負荷後にω-アガトキシンIVA存在下で10分間インキュベートした切片について、18〜20時間後の興奮伝搬応答を観察したところ、どちらの条件でも、大脳と海馬のいずれの切片とも、興奮伝搬応答は消失し、ω-アガトキシンIVAの有無による興奮伝搬機能消失への影響は認められなかった。すなわち、無酸素・無グルコース負荷時または負荷直後にP/Q型カルシウムチャネルを遮断しても、神経細胞障害を抑制できないことが示唆された。 (3)GABA_A受容体賦活作用をもつ麻酔薬サイアミラール(200 μmol/l)は大脳皮質の興奮伝搬応答を抑制し、(2)と同様の一過性の無酸素・無グルコース負荷実験において、サイアミラールを共存させると、大脳皮質では18〜20時間後の興奮伝搬応答は一部残存したことから、GABA_A受容体の賦活化が虚血に対する神経保護作用と関連していることが示唆された。
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