配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
細胞の力学情報伝達は細胞の生理・病理に深く関わることからそのメカニズムを知ることは重要であるが, 力学刺激が実際に細胞内でどのように伝達されているか, またそれによって機能がどのように修飾を受けるのかに関しては未知の部分が多い. 本研究では, 微細加工技術により細胞底面に発生する力を計測できる実験系を構築し, 基質形状により細胞の形態を制御すること, さらに力学刺激が細胞骨格を伝達する経路を求めることを目的とする. 微細加工技術を用いて細胞を培養するマトリックス上にPDMSによるマイクロピラーアレイ(高さ10μm, 直径3μm, ピラー間ピッチ8μm)を形成し, マイクロピラーのたわみから細胞底面で発生する牽引力を計測するものである. 本年度においては, 前年度に引き続き細胞形態制御実験, マイクロピペットによる力学環境操作実験, 細胞骨格の破壊実験を行い, データの蓄積を試みた. 細胞形態制御実験では, ピラー間ピッチを6, 8, 10μmと変化させ, 細胞はピラー間ピッチに依存して牽引力を変化させることを示した. マイクロピペットによる力学環境操作実験ではより精度良くマイクロピラーによる局所力学刺激負荷を行うため磁気駆動式マイクロピラーの製作にとりかかっているところである. 細胞骨格の破壊実験では, アクチンフィラメント, 微小管, 中間径フィラメントそれぞれの破壊により牽引力が経時的に変化していく様子を詳細に追跡することができた. 以上の実験を通して, マイクロピラー基質を用いた実験系により, 細胞外力学環境と細胞内力学環境の定量的相関関係について重要な知見を得ることができた.
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