研究課題/領域番号 |
18651101
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
繁森 英幸 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (70202108)
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研究分担者 |
山田 小須弥 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (70292521)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 機能性物質 / 花芽形成 / 頂芽優勢 / フラボノイド / ニホンナシ / 糖脂質 / エンドウ / シロイヌナズナ / 果実・種子増産 / 誘引処理 |
研究概要 |
本研究では、作物栽培における花成、果実や種子の形成に関わる生理活性物質を探索し、それらの物質を用いて果実や種子の増産を目指す。研究代表者らは、昨年度の本研究においてニホンナシから頂芽優勢を打破することによって生成される物質3,5-di-O-caffeoylquinic acidを見い出し、本物質をフィールドで作用させることによりニホンナシの花芽誘導率が向上することを見い出した。今回は、エンドウやシロイヌナズナを用いて頂芽優勢制御物質や花芽誘導物質を探索し、それらの物質を用いて生物現象の機構を解明することを目的とする。 エンドウを用い、頂芽を切断したexplantと頂芽を残したexplantをそれぞれ寒天プレートに挿し、数時間後に寒天中に拡散している物質を抽出した。それぞれのexplantからの浸出物について、マルチチャンネル検出器を有する高速液体クロマトグラフィーを用いて分析し、両者で含有量に顕著な差の認められた成分を分離・精製した。2D NMRおよびMSを用いて、これらの成分の構造を解析したところ、フラボノイド配糖体であることが明らかとなった。頂芽を切除したexplantにこのフラボノイド配糖体を投与した結果、側芽の成長を顕著に抑制することがわかった。また、この化合物のアグリコンが側芽の成長を促進することが見い出された。以上のことから、エンドウの頂芽優勢は、フラボノイド配糖体によって側芽の成長を抑制し、頂芽が切除された際にこのフラボノイド配糖体から糖が切り出されてアグリコンが生成し、これが側芽の成長を促進するという新たな機構が推定された。一方、シロイヌナズナから花芽形成促進物質として既にMGDGを単離・構造同定したが、さらに関連化合物を探索した結果、新規糖脂質を単離・構造決定することに成功し、本物質は顕著なクロロフィル分解促進作用を示すことを見い出した。
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