研究課題
若手研究(B)
ゲノム情報が明らかになりつつある現在、その遺伝子産物の生体内部での時間的、空間的な振舞いを知ることは、再生医療や疾患において重要なバイオマーカー分子治療の効果や病態変動を知るうえで重要である。近年、プロテオミクス、マイクロアレイなどシステムレベルでの解析から、バイオマーカー分子の探索が行われているが、同定された分子が、実際に生体内のどこで、いつ、どのように働くか、調べて、初めてその重要性が確認できるといえる。本課題では、生体システムでのバイオマーカー分子の生体・細胞レベルでの動態を多次元的に理解するための低侵襲な小動物用蛍光・高磁場MRIマルチモーダル分子イメージング装置を開発し、同一個体での移植細胞の検出とその細胞レベルでの経時的な生理状態を可視化できるようにすることを目指した。まず、7T高磁場MR装置内で細胞レベルでの蛍光画像を取得するため、直径約10ミクロンのファイバーが5万本からなるファイバーを作成した。このファイバーにより、近赤外領域の波長の伝送・検出が可能になった。また、RFパルスの照射・検出用表面コイルに装着できるような固定装置を構築した。一方、on-line上で、MRI画像と蛍光画像を同時に取得できるようにするための自作プログラムを作成し、MRI装置との信号同期を利用したDAQシステムを構築した。こうして構築したシステムにより、680nmの励起光を持つ蛍光色素をドープした溶液の様子を、それぞれMRI、蛍光で検出することに成功した。今後、ファイバーの非磁性化を図り、RFコイルとの一体化により、同時画像取得が可能になれば、低侵襲医療機器への応用につながっていくと期待される。
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