研究概要 |
高さとは、代数体上に定義された代数多様体の点(より一般には部分代数多様体)の算術的な「大きさ,複雑さ」を測る量と考えられる.代数多様体が「良い」自己写像を持つときには,その写像に関して良く振る舞う高さが存在することがある.このような高さを標準的高さという.例えば,代数体上に定義されたアーベル多様体の算術的性質を調べるときに基本的なNeron-Tateの高さは,アーベル多様体のn倍射に関してよく振る舞う標準的高さである.当該研究では,標準的高さ関数の構成,および,代数多様体の有理点の自己写像に関する算術的性質を以下の場合に調べた.代数多様体が複数の「良い」射を持つ場合,アフィン平面の多項式自己同型,代数多様体の射の「良い」列,正の位相エントロピーをもつ代数曲面の自己同型.さらに,Joseph H. Silverman氏と共同で,射影空間の二つの射に付随する標準的高さ関数が一致するときに,二つの射が深く関係していることを示した
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