周辺視野での事物の定位に動的信号がおよぼす影響に関する視覚心理学的研究

• 研究課題/領域番号: 18H01099
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分10040:実験心理学関連
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 村上 郁也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60396166)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2023-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2023年度)
• 配分額: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円); 2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円); 2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
• キーワード: 実験系心理学 / 認知科学

研究成果の概要

周辺視野で観察される視覚対象の検知・定位・個別化の知覚については、網膜像の位置情報だけからは決まらない不確定性がある。視覚健常成人を実験参加者とした心理物理学的実験を通じて、局所的運動情報ないし視覚運動印象が存在することにより視覚対象の検知・定位・個別化の知覚に影響が及ぶことが見出された。得られた知覚実験データを定量的に解析することで、周辺視野での視覚対象の知覚に関連する脳内の神経基盤を推定することができた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

世界の解釈として決まる周辺視野での知覚的位置が運動情報をはじめとした文脈に影響されて決定されることを心理物理学的に実証したことで、知覚的空間の形成には視覚対象自身に関連する入力信号のみならずその周辺に置かれるべき対象との相互作用が重要であることを示した点で、学術的意義が見出せる。空飛ぶクルマなど、知覚的定位に深く関連する変革的技術が提案・実装されている時代に、視覚対象の検知・定位・個別化に関わる現象の基礎的知見を示した点で、社会的意義が見出せる。

研究成果

• [雑誌論文] Local motion signals silence the perceptual solution of global apparent motion (2023)
  • 著者名/発表者名: Nakada Hoko、Murakami Ikuya
  • 雑誌名: Journal of Vision 巻: 23 号: 6 ページ: 12-12
  • DOI: 10.1167/jov.23.6.12
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Search asymmetry in periodical changes of motion directions (2022)
  • 著者名/発表者名: Nakada, H. & Murakami, I.
  • 雑誌名: Vision Research 巻: 195 ページ: 108025-108025
  • DOI: 10.1016/j.visres.2022.108025
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Spatial scaling of illusory motion perceived in a static figure (2018)
  • 著者名/発表者名: Hisakata Rumi、Murakami Ikuya
  • 雑誌名: Journal of Vision 巻: 18 号: 13 ページ: 1-11
  • DOI: 10.1167/18.13.15
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] モーダル補完およびアモーダル補完領域における flash-grab effect (2023)
  • 著者名/発表者名: 仲田穂子・瀬下優也・島崎遥・鬼頭宗平・中村友哉・村上郁也
  • 学会等名: 日本視覚学会
• [学会発表] Temporal characteristics of the Craik-O’Brien-Cornsweet effect as revealed by high-speed motion correspondence (2021)
  • 著者名/発表者名: Yokosuka, S., Nakada, H. & Murakami, I.
  • 学会等名: Vision Sciences Society
  • 国際学会
• [学会発表] Adaptation to an illusory aspect ratio distorted by motion patches in a deformation vector field (2021)
  • 著者名/発表者名: Nakada, H. & Murakami, I.
  • 学会等名: Vision Sciences Society
  • 国際学会
• [学会発表] The flash grab effect into the blind spot (2021)
  • 著者名/発表者名: Murakami, I., Seshita, Y., & Kito, S.
  • 学会等名: Vision Sciences Society
  • 国際学会
• [学会発表] 局所的なサイン波運動による大域的な回転仮現運動の抑制 (2021)
  • 著者名/発表者名: 仲田穂子・村上郁也
  • 学会等名: 日本視覚学会
• [学会発表] フリッカー運動残効によるフラッシュドラッグ効果 (2021)
  • 著者名/発表者名: 鬼頭宗平・村上郁也
  • 学会等名: 日本視覚学会
• [学会発表] 運動場への順応により生じるアスペクト比の残効 (2021)
  • 著者名/発表者名: 仲田穂子・村上郁也
  • 学会等名: 日本視覚学会
• [学会発表] Interactions between different visual features in the ensemble perception of size (2020)
  • 著者名/発表者名: Nakada, H. & Murakami, I.
  • 学会等名: Vision Sciences Society
  • 国際学会
• [学会発表] 運動による位置ずれ錯視により知覚的に歪んだアスペクト比への順応 (2020)
  • 著者名/発表者名: 仲田穂子・清永深津紀・村上郁也
  • 学会等名: 日本視覚学会
• [学会発表] Adaptation to an illusory aspect ratio distorted by motion induced position shift (2019)
  • 著者名/発表者名: Nakada, H., Kiyonaga, M. & Murakami, I.
  • 学会等名: Vision Sciences Society
  • 国際学会
• [学会発表] The disappearance of global apparent rotational motion with local drifting sinusoidal gratings (2019)
  • 著者名/発表者名: Nakada, H., Yamamoto, K. & Murakami, I.
  • 学会等名: Asia-Pacific Conference on Vision
  • 国際学会
• [図書] Progress & Application 知覚心理学 (2019)
  • 著者名/発表者名: 村上郁也
  • 総ページ数: 256
  • 出版者: サイエンス社
  • ISBN: 9784781914527