研究課題
基盤研究(B)
本研究では、開発した磁気顕微鏡を用いて電流誘起磁化を観測することで、強トロイダル金属UNi4Bにトロイダルドメインが存在することを明らかにした。具体的には、電流誘起ホール効果の測定から期待されている周波数依存性が電流誘起磁化にも現れることを利用して、アンペールの法則で生じる磁場と明確に分離することに成功した。その上で、測定位置を変えると、周波数依存性の振る舞いや信号の符号が変化することも分かった。これは、トロイダルドメインの存在を示唆する結果である。
「電場(電流)で生じる磁化」や、「磁場で生じる電気分極」といった電気磁気効果は、新規デバイスへ応用できる可能性を秘めており、盛んに研究が行われてきている。このような現象を示す物質はここ20年間で数多く発見されてきたが、電気を流せる金属の研究は非常に限定的だった。本研究では、強トロイダル金属UNi4Bで電気磁気効果が現れること、さらにトロイダルドメインが存在することなど、最も基本的で重要な現象を明らかにすることに成功した。本研究は、今後の金属に関する電気磁気効果の発展の礎になると考えている。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 6件)
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