研究課題
基盤研究(B)
本研究では、ナノスケール半導体チャネルにおける量子伝導によるスピン輸送を用いることにより、強磁性金属/半導体界面における伝導率不整合の問題を根本的に解決することを目指した。Fe/(Mg)/MgO/Geのスピン注入・検出源および20 nmのナノスケールSiチャネルからなるスピンバルブ構造において、世界最高の-3.6%のスピンバルブ比および25 mVのスピン依存出力電圧を達成した。また、超高真空一貫でエピタキシャル結晶成長できるMnGa/GaAs/MnGaのナノチャネルIII-V族半導体スピンバルブ構造を作製し、世界最高の12%のスピンバルブ比および33 mVのスピン依存出力電圧を達成した。
従来のスピントランジスタの研究では、半導体のチャネル長がマイクロメートル台と長いため、拡散伝導によるスピン輸送が行われた。そのため、磁性電極と半導体チャネルとの界面に伝導率不整合が発生し、スピン変換電圧がマイクロボルト台しか観測できず、デバイス応用に必要な電圧変化および磁気抵抗比が得られていない。本研究では、ナノスケール半導体チャネルにおける量子伝導によるスピン輸送を用いることにより、強磁性金属/半導体界面における伝導率不整合の問題を根本的に解決できることを実証し、高性能なスピントランジスタを実現できることを示し、超低消費電力コンピューティングの基盤技術を提供する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)
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