研究課題
基盤研究(B)
主要なトランスポゾンの1種であるレトロトランスポゾンはゲノム内で増殖し得る遺伝因子であり、生物進化の過程でゲノムサイズや多様性の増大に寄与してきた。その一方で、レトロトランスポゾンの無秩序増殖は宿主細胞や個体にとって脅威となるため、ヘテロクロマチン化やRNA干渉といった機構を生物は獲得し、抑制状態を維持している。ヘテロクロマチン化には抑制性ヒストンマークなどが重要な役割を果たすが、その詳細な分子機構は不明である。本研究では、CG14438と呼ばれる新規レトロトランスポゾン抑制因子を同定し、モデル動物ショウジョウバエのレトロトランスポゾン抑制機構に迫った。
生殖細胞は唯一次世代に伝えられる細胞であり、その安定的な次世代継承メカニズムの解明は学術的に意義があるとともに生殖医療などの分野に波及する可能性が高い。本研究はショウジョウバエをモデル動物として、生殖細胞の安定的な次世代継承に必要な新しい遺伝子の同定と機能解明が行われており、その意義は大きいと考える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Nature Communications
巻: 11 号: 1 ページ: 858-858
10.1038/s41467-020-14687-1
The EMBO Journal
巻: 印刷中 号: 17 ページ: 1-20
10.15252/embj.2019102870