研究課題
基盤研究(B)
BNCT (boron neutron capture therapy)はがんに対する選択的放射線治療の一種であり、がん細胞に高い選択性を示すホウ素製剤を用いて、短飛程のα線などの粒子線を放出することを応用した治療法である。本研究ではBNCTの治療条件での照射下のがん細胞死の早期応答に注目し、局所的及び全身性の治療奏効性、副作用と関連するバイオマーカーの同定の研究を行った。トランスクリプトーム、プロテオーム解析等により複数の早期のバイオマーカー候補因子の解析を行った。BNCT後のHMGB1の早期の細胞外漏出やマウス移植腫瘍モデルにおいて血中への漏出がBNCTの効果と関連する可能性を見いだした。
BNCTの大きな課題の一つとして、効果や副作用を早期に予測、判定することが難しいことである。BNCTが効果を得るには、薬剤の腫瘍部位への到達、中性子線照射の詳細な測定が必要だが、これらの照射中の測定は未だ困難である。本研究で見いだしたHMGB1などのBNCT後の早期応答に関する複数の候補因子はBNCTの治療の奏効性や副作用と関連するバイオマーカーとしても有用な基盤的資料となると考えられる。
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KURNS Progress Report 2019
巻: - ページ: 71-71
KURRI Progress Report 2018
巻: in press