研究課題
基盤研究(B)
慢性炎症や組織の老化による糖尿病性腎症、動脈硬化性・加齢性腎硬化症、慢性閉塞性肺疾患等の臓器線維症が益々増加する。全身臓器の線維化の制御は再生医療を実現するためにも必要不可欠であり、生活習慣病や希少免疫難病の進展を予防し国民の健康寿命の延伸にも直結する重要な治療標的である。本研究では、従来のマウスモデルでは見逃されていたヒト細胞独自の線維化メカニズムを同定し、IL-26に基づく安全で有効性の高い革新的抗線維化療法を開発する成果を得た。これにより、これまで治療困難であった臓器線維症の画期的な創薬に繋がる。またiPS細胞等の再生医療に対しても適切な臓器再生の場を提供することができる。
臓器の線維化は、慢性炎症や加齢による組織の老化と密接な関連があり、臓器線維症は今後益々増加する疾患である。現在、特発性肺線維症に対する抗線維化薬としてピルフェニドンとニンテダニブが薬事承認を受けている。しかし、消化管・皮膚障害、血栓症等の重篤な副作用が出現する。一方、本研究の標的分子IL-26は、線維化カスケードループの最上流に位置するエフェクタ分子という点で画期的な抗線維化薬の創薬シーズであり、われわれは、治療困難であった臓器線維症の独創的な創薬に繋がる成果を得た。国民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小に貢献し、またiPS細胞等の再生医療に対しても適切な臓器再生の場を提供することができる。
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