研究課題
基盤研究(B)
妊娠期のマウスに抗IgE抗体を投与すると、仔マウスにおいて抗原特異的IgE抗体の産生が抑制されること、その結果、食物アレルギーの発症を抑制することを明らかにした。抗原特異的T細胞応答や、IgG抗体の産生等、他の免疫応答は同等に維持されることから、抗IgE抗体による効果はB細胞のIgE抗体の産生系を抑制した結果であると考えられた。IgE抗体産生抑制の持続期間は、マウスの系統間で異なるが、どの系統でも仔におけるIgE抗体産生抑制効果は認められた。また、新生児期における抗IgE抗体の投与も、妊娠期の母親マウスへの抗IgE抗体の投与と同等に、仔におけるIgE抗体の産生を抑制することも見出した。
アレルギー疾患の患者数が増え続けており、現在では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。一旦発症したアレルギー疾患を完全に治すことができる治療は存在しないため、アレルギー疾患の発症を抑制する方法の開発が期待されています。本研究では、妊娠中のマウスに抗IgE抗体を投与すると、生まれてきた仔マウスが一定期間IgE抗体を産生しないこと、その結果、仔マウスにおいて食物アレルギーの発症を予防できることを明らかにしました。本方法はIgE抗体以外の免疫系には影響がないことから、実現可能なアレルギー疾患発症予防法になり得る可能性がある。今後、臨床応用を目指した検討を行う必要がある。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
J Allergy Clin Immunol
巻: 144 号: 5 ページ: 1163-1165
10.1016/j.jaci.2019.08.026
Allergology International
巻: 68 号: 4 ページ: 399-400
10.1016/j.alit.2019.07.001
130007733172
巻: 143 号: 3 ページ: 1261-1264
10.1016/j.jaci.2018.11.008