研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、非一様乱本研究の目的は、非一様乱流のダイナミクスを記述する方法を構築し、大域的な時空間構造を理解することである。本研究は、個別の系の複雑さによらない視点から進めるために、主に周期境界領域で定義された決定論的に時間発展する非圧縮流体を対象とすることを特徴とする。とくにコルモゴロフ流れを取扱う。本年度は研究目標の達成のために、対象の系に対して数値実験及び理論的計算を継続して行った。ダイナミクスの記述に関して、空間局在した秩序構造が複数共存する場合にリヤプノフ解析を中心とした力学系的手法を用いて解析した。この際、数値計算のコストを抑えるために、近年発展した数値解析手法を利用した。相互作用に方程式の非局所性が重要な役割を果たす可能性が示唆されている。また、非線形解の分岐解析を行っており、秩序構造を基本とした乱流構造・乱流動力学の理解を進めている。非一様乱流の大域的時空間構造に関し、層流と乱流が双安定になる系の構成法について知見を深めた。とくに、平行せん断流一般の場合に、長波長撹乱が不安定化しない条件を理論的に求めた。この条件下でも、非線形撹乱に対し乱流が維持しうることを、数値計算を用いて確認した。得られた知見は一般性が高く、層流と乱流が双安定になるメカニズムの理解に重要な役割を果たす。層流と乱流が双安定になる系における乱流遷移は、近年非平衡統計力学との関係も注目されている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of the Physical Society of Japan
巻: 89 号: 4 ページ: 044402-044402
10.7566/jpsj.89.044402
数理解析研究所講究録
巻: 2097 ページ: 7-12